HD-PLCアライアンス 高速電力線通信

HD-PLCアライアンス

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「HD-PLC」について

高速PLC通信とは?

1) 高速PLC通信の仕組みについて

高速PLC通信とは、高速電力線通信(BB-PLC:Broad Band Power Line Communication)の略で通常の電力線上に短波帯(2MHz~30MHz)を利用した通信技術です。
高速PLC通信の仕組みは、電力会社から供給される交流商業電源周波数(50/60Hz(図①))に、短波帯の高周波周波数を非常に小さな電圧(図②)として2つの周波数を掛け合わせ(重畳)信号変換(図③)を行います。情報の取り出しは、短波帯周波数と交流商業電源周波数の差が大きい為、干渉することはなく重なり合ったPLC信号分のみを容易に分離(図④)し取り出せます。(右図を参照)

「HD-PLC」アライアンス図

また、高速PLC通信のセキュリティ面では、PLC信号自体が暗号化され特殊な変調信号になっているため、高速PLC通信機器同士の間では、盗聴が出来ない仕組みを採用しており、安心して利用できます。

2) 高速PLC通信利用の主なメリット

  1. 宅内においてはコンセントに差し込むだけで簡単にどこからでも通信ができます。
  2. 既存の電力線を利用できるため、有線LANなどの配線作業工事費の軽減や複雑な配線作業の簡素化(工期短縮)、及び室内の美観を損ねません。
  3. 無線LANのような、屋内遮蔽物障害、複層階での通信障害、隣接した無線機器同士の干渉による通信レート不安定などがなく、安定した通信速度が確保できます。
  4. 電力配線の合理化による省線化や軽量化により、車や飛行機、船舶など配線材のコスト削減、燃費向上、製造工期短縮化などが図れます。

3) 高速PLC通信の直流電源線への応用

高速PLC通信の利用は、交流商業電源線のみならず、直流電源線にも応用が出来る為、近年では、屋内、屋外長距離通信用途として既存で敷設されている同軸ケーブル(直流電源線)を利用し映像信号と通信信号を送信できるEoC(Ethernet over Coax)(注1)や同軸ケーブルで直流電源を供給するPoC(Power over Coax)(注2)など、B2B(注3)を中心に電力線以外の活用の場も広がっています。

4) 高速PLC通信を取り巻く環境

欧米諸国では、石材やレンガブロックなどの建築資材利用による住宅事情を背景に、高速通信配線工事の不便さや無線LAN通信障害の健在化等の理由により、早くから高速PLC通信の商業利用が進められています。現在では、高速PLC通信機器を利用した宅内インターネット配線用途はもとより通信事業者によるIPTV(注4)サービスや、ケーブルTV放送事業者によるインターネット複合サービスなどで活用されており、一般家庭向け(B2C)(注5)を始めB2B利用を含め数千万台の市場規模となっています。

⼀⽅、日本国内では、以前は周波数隊450kHz以下の低周波低速PLC通信のみが商用認可されていました。その後、高速PLC通信ニーズの高まりにより、2006年10月から短波帯(2M~30MHz)を使用した屋内利用が、法規定されインターネット利用で順調に市場が拡大し、出荷累計120万台を超える市場に成長しています。さらに、2013年9⽉には、屋外利⽤(⼀部限定)に関する法規定もなされました。また、最近では、無線LAN利用拡大に伴う通信障害対策としての利用ニーズも高まりを見せており、今後、⾼速PLCの利⽤範囲は、更にさまざまな分野に広がるものと期待されています。

また、昨今では、地球温暖化や電力需給バランスの逼迫等からなる省エネ化を波が家電業界、通信分野でも避けて通れない状況となっています。そこで、PLC業界各社は、高速PLC通信においてもLSIをはじめ、モジュールの省電力化を積極的に推進し、非通信時のスリープモード機能の採用など、さまざまな省電力対策を実施しています。ネットワーク機器またはIoT化の社会浸透により、ビル管理、⼯場管理や、ローカルな山地、船舶内での通信など、従来通信環境の構築が困難であった場所でも必要とされており、「HD-PLC」マルチホップ機能による長距離、広範囲で多端末の通信環境を比較的安価に構築できる「HD-PLC」⽅式に期待が⾼まっております。これらの省エネ技術を基に効率的な電力需給バランスの提供や省エネをキーワードとしたスマートグリッド、スマートハウス、スマート家電、ホームオートメーション、センサーシステム等のM2M(注6)向けなど、ITC技術を融合させたスマートライフの実現に向け高速PLC通信の果たす役割は、更に重要度を増しています。
HD-PLCアライアンスは、低消費電力技術、高効率伝送技術を採用した高速PLC通信方式の1方式である「HD-PLC」方式を積極的に推進することによりスマートライフ、グリーンユビキタスの実現に向け社会に貢献して行きます。

  • 注1:EoC(Ethernet over Coax)
    同軸ケーブル上にPLCの変復調技術を応用しイーサネット信号を変換し伝送するシステムのこと。
  • 注2:PoC(Power over Coax)
    EOCのシステムを応用した同軸線に直流電源を供給する伝送システムのこと。
  • 注3:B2B(Business to Business)
    企業間の取引のこと。
  • 注4:IPTV(Internet protocol television)
    IP放送の一。インターネットのIP技術を利用してテレビ映像を配信するサービスの総称。
  • 注5:B2C(Business to Consumer)
    企業と一般消費者の取引のこと。
  • 注6:M2M(Machine to Machine)
    機器同士をITCで接続し、相互に情報のやりとりを行うことで、中間で人手を経ずに情報収集や管理・制御を実現する技術のこと。